購入したのは2021/12/16なので、ちょうど1年前になります。
美容常識の9割はウソ 国立病院機構東京医療センター形成外科医長 落合 博子著
ドキっ! とするタイトル。
読んでみたくなりますよね?
Contents
先取りまとめ
- 大事なのは、正常なバリア機能を邪魔しないこと。化粧品を浸透させるのではなく、バリアとなる皮脂を補強するような化粧品の使い方を意識すること
- 美容液かクリームのいずれか一点のみを使うケア。化粧水は原則必要ありません
- 自分の肌が今、一番必要としている効果に的を絞ってひとつの化粧品を選ぶ 例)・シミが気になるなら美白効果のあるもの ・乾燥が気になるなら保湿効果のあるものなど
- 成分でも、香りでも、自分の肌にいちばんしっくりくるなと感じるものを選んで、洗顔後に優しく肌にのせる
- これだけで肌のターンオーバーを邪魔せず、バリア機能の傷害も少なく、肌をより自然に近いかたちで充分保護してくれます
肌本来の機能を活かせばよい
この本は終始、人の肌が生来持っている「バリア機能」と「ターンオーバー」を正常に保つことの重要性を説いています。
化粧品が浸透する意味とは
p.14-20 「肌の奥まで浸透する」の言葉の意味
「化粧品が肌の奥まで浸透する」という言葉の意味を上手に説明してくれている冒頭の下りが全部で6ページほどですが、気付きが何個もありました。
「正しいスキンケア事典」を読んで理解していた事実にはなにも変更はなかったのですが、
落合先生がその言葉の意味、肌と化粧品の関係を「あなたは本当に理解していますか?」と問うてきます。
p.15 肌の奥(=角質層)まで浸透する
化粧品は角質層までしか浸透しません。
上図の肌の角質層まで化粧品が浸透する。
その角質層の厚さは 0.01-0.03㎜
表皮全体の厚さの平均は0.2㎜。その表面の角質層はたったの……
たったの
0.01-0.03㎜。
しかもこの角質層は肌のターンオーバーの結果、死んだ細胞なんです。(詳しくはこちらの記事「洗顔のやり方、ターンオーバーとバリア機能は【書籍「正しいスキンケア事典」】から学んだ」で紹介)
私たちって死んだ細胞をずっーとケアしてるってこと?
形成外科医長の人に言われるとインパクトあるよね
だけど……「外見」って、やっぱり気にしてしまう。
会う人からきれいな肌だって思われたいよね?
なので、人はこの角質層を日々ケアするんだけれど、
角質層はそもそも、しばらくすれば垢となって剥がれる運命なのです
(p.17より抜粋)
角質層はふやけたり、傷ついたりして容易に構造が崩れちゃう。
崩れちゃうけれど、それらはすでに死んでる細胞だし、やがて剥がれ落ちるから大丈夫………なんだけど………
剥がれてなくなっちゃうものを日々がんばってケアしてる………って、
なんか、効率、悪い………って思わない?
うん、たしかに。
この本は、
「それでいいの?」
と、たたみかけてくるよ
多くの人が、0.01-0.03㎜の死んだ細胞の表面をうるおわせるために、化粧水をせっせと使っている………、
これに意味はあるのでしょうか?
たしかに………
この本、おもしろいね
p.18 肌本来の役割とは「からだを守ること」
皮膚は異物が体内に侵入するのを防ぐ「バリア」の役割を果たしている。
皮膚本来の機能を考えると、異物が角質層(死んだ細胞)の奥の生きた細胞にまで届くということはあってはならない。
例えば、海で泳いでいて、潮水が肌の奥まで染みこんだりしないでしょ?
だから、化粧品を
手ですりこんだり、
押し込んでみたり、
温めてみたり、
ラップをしてみたり………と、
がんばってみても
バリアより奥深くに化粧品の成分が届くことはそもそもないのです。
p.19 大事なものを体から逃さない
健全な皮膚の表面は皮脂で覆われ、脂質や水分が逃げないようにバリアしている。
一旦、バリアが崩れると、脂質、水分が漏れてしまい、肌では乾燥が起こってしまいます。
「大事なのは………」、と、この本は教えてくれます
大事なのは、正常なバリア機能を邪魔しないこと。化粧品を浸透させるのではなく、バリアとなる皮脂を補強するような化粧品の使い方を意識すること
p.19
それで………、
この本はどんなスキンケアを勧めてるの?
バリア機能を正常に保つことが最重要という基本方針をもとにしていろんなことが書かれています。
p.142 毎日のスキンケア
肌本来の機能を取り戻すことが健康な美肌への近道
- 美容液かクリームのいずれか一点のみを使うケア。化粧水は原則必要ありません
- 自分の肌が今、一番必要としている効果に的を絞ってひとつの化粧品を選ぶ 例)・シミが気になるなら美白効果のあるもの ・乾燥が気になるなら保湿効果のあるものなど
- 成分でも、香りでも、自分の肌にいちばんしっくりくるなと感じるものを選んで、洗顔後に優しく肌にのせる
- これだけで肌のターンオーバーを邪魔せず、バリア機能の傷害も少なく、肌をより自然に近いかたちで充分保護してくれます
触らないスキンケアに向けて
いろんなことを教えてくれます。一部を抜粋してみよう
- 肌はこすると黒くなる ⇒ 「触らないこと」が肌のターンオーバーを助ける最も簡単な方法
- スクラブ入り洗顔料を使うことが肌にいい理由はひとつもない
- 乾燥肌、肌荒れに悩む人の多くは「洗いすぎ」が原因
- ニキビに悩んでいる人は皮膚科に行こう
- 無添加と言う表現自体にはほとんど意味がありません
- 化粧品は治療するためのものではない。肌や髪を清潔に健やかに保つことが、その主目的であり役割。だから何かに劇的に効くということを期待してはいけない
- スキンケア商品は使用感が心地よく、楽しめるものがいちばんです
- 日本には化粧品に関するオーガニック認定基準がない
- 天然=何が入っているかわからないもの ⇒ 合成=ひとつの成分にフォーカスして生成されたもので、むしろピュア
触らない、洗いすぎない、化粧品はひとつしか使わない………
p.174で、「やる」よりも「やらない」選択をって書かれてるよ
やればやるほど報われると思いたいですが、何もやらない方が肌の細胞はイキイキと働くことができます。よけいなことをできるだけ省いて肌のターンオーバーを正常に戻し、本来の健康な肌の機能をよみがえらせましょう(p.175)
その他、気になる見出し
- 「日焼け止めのSPFは高いほど効果がある」は思い込み
- 化粧品の「経皮毒」は科学的にはあり得ない
- ヒアルロン酸の知られざる一面
- コラーゲンを食べてもコラーゲンは増えない
- セラミドは補う価値ある稀有な成分、など
気になる見出しがある人は、ぜひ購入して読んでみてください。
聞いたことのある言葉、情報を正しく教えてくれるので、とても読みやすい本です
気になる見出しがある人は、ぜひ購入して読んでみてください
まとめ
- 大事なのは、正常なバリア機能を邪魔しないこと。化粧品を浸透させるのではなく、バリアとなる皮脂を補強するような化粧品の使い方を意識すること
- 美容液かクリームのいずれか一点のみを使うケア。化粧水は原則必要ありません
- 自分の肌が今、一番必要としている効果に的を絞ってひとつの化粧品を選ぶ 例)・シミが気になるなら美白効果のあるもの ・乾燥が気になるなら保湿効果のあるものなど
- 成分でも、香りでも、自分の肌にいちばんしっくりくるなと感じるものを選んで、洗顔後に優しく肌にのせる
- これだけで肌のターンオーバーを邪魔せず、バリア機能の傷害も少なく、肌をより自然に近いかたちで充分保護してくれます